大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和48年(ラ)92号 決定 1974年6月19日

抗告人 松下邦子(仮名)

相手方 佐野セツ子(仮名) 外三名

事件本人 田倉ミツ子(仮名)

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

一  抗告の趣旨および理由

別紙記載のとおりである。

二  当裁判所の判断

当裁判所も抗告人の申立を原審判主文記載のとおり正当として認容すべきものと判断するが、その理由は、次に付加するほか、原審判理由記載の判断説示と同一であるから、これを引用する。

事件本人は、扶養を要する状態にあるが、本件は子の老親に対する扶養であるから、相手方の事件本人に対する扶養義務が生活扶助の義務としての性質をもち、相手方らの社会的地位、収入等相応の生活をした上で余力を生じた限度で分担すれば足りるものであることを考慮し、事件本人の生活費としては、生活保護法による最低生活の生活保護基準額を参考にするのが相当であり、これによれば原審判認定のとおり一ヵ月約一万八五〇〇円となる。

よつて、原審判は相当であつて、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用を抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 仲西二郎 裁判官 三井喜彦 福永政彦)

(別紙編略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例